サイト『Gottani.』の管理人が贈る気まぐれDaily
人間性の欠片しかない自由人の脳内チェックが出来ます。
君はなんで
違う人の側にいるの――?
【近くて、遠い距離】
思えば、幼い頃からだったのかもしれない。
小学校から家が近い事で一緒にいる事が多かった。すぐ側に居たと思う。
それが当たり前みたいになって、気付かなかった。
高校に入って、一年ダブって。二回目の一年の時。
クラスに泉が居た時は驚いた。
まさか同じクラスになるなんて思わなくて、驚いた反面純粋に嬉しかった。
だってあの泉だよ?
話してて楽しくないわけじゃないじゃん。
実質始めは楽しかった。
元々ダブってる事はあまり気にしてなかったし、そんな事を忘れてしまえる程に毎日が充実していた。
野球部の応援団を作って、泉といられる時間が長くなって、さらに毎日が待ち遠しくなった。
だけど、それが変わったのはいつだろうか。
どこにいても、泉の姿を探すようになって。
見つければ嬉しくなって。
目が合うと一気に体温が上がる。
一緒にいて、だんだん胸に鉛が存在するみたいに苦しくなった。
わけがわからなくて、時々無性に胸をかきむしりたくなる。
おかしい。
これはまるで、恋におちたような…――。
自分の考えに愕然とした。
だって相手も自分も男で。
どう考えてもおかしいのに。
泉の事を考えると、全身が熱くなる。
ずっと悩んだ。
どうすればいいのかわからなくて焦った。
でも、そうやって悶々としているうちに。ある日見た君は変わっていた。
いつも見ていたからわかるんだ。少しだけ、でも大きな変化。
なんで。
いつも以上に明るく見えた。
いつも以上に楽しそうに見えた。
どうしてなんて。
怖くて聞けなくて。
しばらくたったある日。
あぁ、見つけてしまった。
校門に立つ人影。
呼ばれる君。
少し驚いて呆れて。
その人に怒鳴りながら楽しそうに笑った。
そうか。
君はその人を選んだんだね。
もう俺には
隣に立つ資格なんて――。
「浜田?おいって!!」
「っ!泉…」
「どうしたんだよ。ぼぅっとしてて。部活行くぞ」
「ぁ…うん。先行ってて」
「…本気でどうしたんだよ」
「――ううん、何でもないよ」
打ち明けられない思いが、苦しくて。
君との距離が
酷く遠い。
End
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浜田が可哀想な子になっちゃった(笑)←
最後しか話言葉がない…
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